ミノ・セラミックス・ナウ2004 MINO CERAMICS NOW2004
岐阜県南東部東濃地方で焼かれるやきものは“美濃焼”と呼ばれ、古くは織部、志野、黄瀬戸などの桃山茶陶を中心として華ひらいた屈指の窯業地です。
現在日常雑器の生産地として知られるこの地域の陶芸制作におけるターニングポイントは、昭和5年(1930)岐阜県可児市久々利大萱で桃山時代の志野陶片が発掘されたことといえるでしょう。それまで瀬戸産とされていた黄瀬戸や志野、瀬戸黒、織部などが美濃の地で焼かれていたことが証明され、“美濃焼”が産地ブランドとしての力を得ることになります。
戦後には、重要無形文化財保持者として第1次認定された荒川豊蔵、岐阜県陶磁器試験場の場長として勤めた五代加藤幸兵衛、クラフト運動を実践した日根野作三、安藤知山、白磁・青白磁の探求者であった塚本快示らがこの地域の陶芸発展の先駆者というべき活動をくり広げます。業界人材の育成を目的とした専門機関である、多治見工業高校、岐阜県陶磁器試験場(現セラミック技術研究所)、多治見市陶磁器意匠研究所では、地元出身者のみならず、他府県から多くの若者達が学び多方面で活躍するようになりました。
そして1986年から始まった国際陶磁器フェスティバル美濃の開催は、この地域を日本における重要な窯業地としての認知を世界中にひろめることになります。フェスティバルの開催により、世界各地の窯業地、研究機関から、やきもの王国日本において「伝統と現代が交差している場“MINO”」といった現役の窯業地としてのステータスを獲得しました。
「美濃」から「MINO(ミノ)」へ。様々なスタイルの陶芸家らが技法や様式、団体の垣根を越えて制作しその活動を発信しつづけています。
本展覧会はMINOを足がかりに、ひろく岐阜県下で活躍する作家らの作品を、「美濃陶芸の先駆者たち」「美濃焼復興」「古典から造形へ」「オブジェとクラフト」「公募展とニューウェーブ」の5部構成でご紹介いたします。
■出品数 出品作家数120名
概要
- 会場
- 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅠ
- 会期
- *終了しました2004年9月4日(土)~12月5日(日)
- 休館日
- 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
- 開館時間
- 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
- 観覧料
個人 一般 800円、大学生 600円、小中高生 400円
団体(20名以上) 一般 700円、大学生 500円、小中高生 300円
- 主催
- 岐阜県現代陶芸美術館
- ギャラリートーク
- 会期中、毎週日曜日の午後2時より、当館学芸員による作品解説を行います。
(ただし、9月5日、9月19日、10月3日、10月17日、10月31日は企画事業開催のため行いません)
- 関連企画
セッションⅠ・シンポジウム 美濃陶芸の現在「茶陶、造形、クラフト」*終了しました
日時 : 9月5日(日)14:00-16:00
ナビゲーター : 髙満津子(当館学芸員)
パネリスト : 伊藤慶二、加藤委、加藤陽児、堀俊郎セッションⅡ・シンポジウム 教育・研究の現場から「多治見工業、セラ研、意匠研」*終了しました
日時 : 9月19日(日)14:00-16:00
ナビゲーター : 立花昭(多治見市農林商工課)
パネリスト : 伊村俊見、長谷川善一、中島晴美トークⅠ 自作を語る 吉田喜彦*終了しました
10月3日(日)14:00-15:00
トークⅡ 自作を語る 安藤光一*終了しました
10月17日(日)14:00-15:00
トークⅢ 自作を語る 加藤幸兵衛 *終了しました
10月31日(日)14:00-15:00
文化の日スペシャルⅠ 「土の音を聞く-演奏・永田砂知子」*終了しました
渡辺泰幸作品による演奏会
・日時 :11月3日(水・祝)13:00-13:50
・場所 :岐阜県現代陶芸美術館ギャラリーⅠ
*美術館入館には、展覧会観覧料が必要です。