スタンダード・ウェア-イギリスの食器- Standard Ware-Tableware in Britain-
2008年7月19日(土)-10月26日(日)
1938年頃、セント・アイヴスのリーチ工房において、バーナード・リーチの息子、デヴィッド・リーチの提案で始められた「スタンダード・ウェア」は、リーチ工房の作品の流通に大きな役割を果たしました。これは、ウェッジウッドにはじまるカタログ販売という産業陶磁器の手法を応用したものです。「標準的な食器類のかたち」を定めることによってこれを可能としたリーチ工房は、ウェッジウッドの対極、もう一つのイギリスの顔といえる存在になっていきました。
まず父、バーナードがデザインを決め、デヴィッドがプロトタイプを作成、再びバーナードが形態や重さ、サイズなどを確認して、合格したものがカタログに載ります。イギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動や日本の民芸運動を背景に作られたこのシリーズは、せっ器を基調とした、シンプルで温かい色合いが特徴の実用陶器として高い人気を得ました。実際の製作に関わったのは、工房に滞在して研鑽する学生たちや若き陶芸家たちでした。スタンダード・ウェアは学生を訓練する基準となり、リーチ工房の基盤を固める手段ともなったのです。
一方、彼らはカタログに則した製品を作る一方で、独自の表現も追究しています。本展覧会では、当時のカタログと実物とを展示し、どのような形がスタンダードとされたのか検証します。そして「スタンダード」を生み出す一方で、それを乗り越えて個性を発揮していった作家たちをご紹介します。
概要
- 会場
- 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅡ
- 会期
- 2008年7月19日(土)-10月26日(日)
- 休館日
- 10月6日(月)、10月14日(火)、10月20日(月)
(10月5日まで無休) - 開館時間
- 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
- 観覧料
個人 一般 320円、大学生 210円
団体(20名以上)一般 260円、大学生 160円
*高校生以下無料
*「ウェッジウッド」展観覧券をお持ちの方は同券でご入館 いただけます(9月30日まで)- 主催
- 岐阜県現代陶芸美術館