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志野茶碗

(しのちゃわん) Tea bowl, shino type

鈴木藏

(すずき おさむ) Suzuki Osamu
2002年
H 9.5cm W 14.0cm D 13.5cm

釉薬研究の第一人者であった製陶技師の父のもとで助手を務め、やきものの道に入ったのが50年代半ばであったが、当時は陶芸家を志していたわけではなかった。24歳の時に現代日本陶芸展で受賞して以来、さまざまな賞を9年連続して受賞し、10年目の日本陶磁協会賞受賞によって作家として立つことを決めたのだという。こうした受賞歴の背景には父からの影響にもよる技術的・科学的な研鑽があり、それは今日まで一貫したものである。釉薬の厳密な計量、調合、志野釉だけで一万点に及ぶテストピース、石炭窯に始まり、重油窯、ガス窯という試行を重ねている。ガス窯に至ったのは60年代のことだというが、現在のものは6基目を数えている。現代志野の代表として藏志野と愛称される作品は、こうした研究と努力によって生みだされているのである。その作品はいずれも鮮やかに発色し、しばしば垂直に立ち上がる力強い形態によって特徴づけられる。本作品もその藏志野の特徴を備え、のびやかでモダンな緋色の模様が施されている。

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