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絵志野茶埦

(えしのちゃわん) Tea bowl, e-shino type

荒川豊蔵

(あらかわ とよぞう) Arakawa Toyozo
1965年
H 13.3cm W 9.7cm D 9.7cm

昭和古典(古陶磁)復興の礎を築いたとされる荒川豊蔵は、桃山古窯の発掘調査により岐阜県大萱の山中に志野の古窯祉を発見し、桃山陶が瀬戸のどこかで焼かれたという通説を覆し、自ら志野、瀬戸黒、黄瀬戸などの復興復元に挑んだ。桃山志野が焼かれた大萱の窯床の真上に豊蔵の窯は築かれ、「志野再現に対する彼の並々ならぬ決意が秘められた」ものであった。昭和30年、「志野」「瀬戸黒」で第1回の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。本作品は大萱築窯三十年記念展の翌年、紫綬褒章を受章した昭和40年の作で、豊藏71歳、脂ののりきった頃の作例である。やや腰高の半筒型の茶碗に鉄でわらび絵を描き、ほどよく縮れと緋色を呈する志野釉が掛かる。まさに豊藏志野を代表する茶碗の一つである。

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