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扇形花瓶

(おうぎがたかびん) Flower vase in folding fan design

ロイヤル・ウースター

(ろいやる・うーすたー) Royal Worcester
1880年
H 18.0cm W 23.5cm D 9.0cm

ロイヤル・ウースターは、1751年、ロンドン北西部にあたるイギリスのウースターに、磁器窯として産声をあげた。ジョン・ウォール博士の掛け声のもと、地元経済人たちにより設立されたこの窯は、開窯当初より優れたクラフトマンシップを基礎としていた。
初期のウースターは染付で図柄を施しており、このことによって窯の名は知れ渡ることとなった。さらにウースターの名を知らしめたのは、転写技術を取り入れ、それを大規模に展開したことであった。転写導入の起源については諸説あるが、磁器の装飾として取り入れたのは、銅版画家のロバート・ハンコックであった。1756年にはウースターにやってきていたハンコックは、転写をすぐに利用し、ウースターの代表製品となる美しい器を作り出した。さらに、19世紀後半のウースターには、ジェームス・ハードリーなど、伝統的な作品を製作しながら、ジャポニスムなど時代の流行をうまく取り入れて新しいものを作り出す成型師が存在した。   
本作品は、団扇と扇を模したやきものが前後に重ねられた花瓶である。団扇、扇ともにオフホワイトの地に、東洋的な加飾が整然と施されている。お互いの柄の部分が金紐で括られ祭りの要素もただよう。ウースターが得意とする金彩を控えめに使用し、当時流行していた東洋の文様を西洋的な解釈で表現している。

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