壁顔
(へきがん) Wall Face伊藤慶二
(いとう けいじ) Ito KeijiH 44.5cm W 31.2cm D 20.2cm
武蔵野美術学校で油絵を学んだ伊藤慶二は、高校の同窓であった加藤孝造の薦めで岐阜県陶磁器試験場にデザイナーとして勤めるなかで、陶芸の技術を学んだ。同試験場で出会った日根野作三の薫陶を感じるクラフトの器から、立体造形、絵画まで、多岐に渡る仕事を、隔てなく一貫した視線のもとに手掛けてきた。2000年代末、その頃改めて向かい合っていた油絵、肖像画の制作との関連の中に生まれた「面」シリーズでは、多様な人物の胸像が土で象られた。その悠然とした佇まいからは、人間の在りようを見つめる、作家の視線が感じられる。