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瓢箪花生

(ひょうたんはないけ) Gourd-shaped flower vase

松田百合子

(まつだ ゆりこ) Matsuda Yuriko
1998年
H 28.5cm W 11.0cm D 11.0cm

松田は京都市立美術大学で、富本憲吉、近藤悠三、清水六兵衛に、九谷で北出塔次郎に師事し、色絵磁器の伝統の正統を学んでいる。しかしながら古くからある五彩の基本色を選びつつも、伝統の継承・再現にとどまらず、ポップな絵付けのデフォルメされた形態で、アッケラカンとした大らかな作風による独自の色絵表現を試みてきた。早くから海外でも注目され、ファエンツア国際陶芸展では金賞を受賞するなど高い評価を得ている。
松田は女性の臀部を型どってインスタレーションされたものや、“いとなむ”と名づけれらた枕と男女の足だけで表現された作品にも、九谷や金襴手からの装飾を施している。鉢やカップにいたっては土をちぎって継ぎあわせるパッチワークの方法を生み出した。京都で色絵の巨匠に出会い、九谷で色絵の伝統を目の当たりにして、「自分の得た技術で何が出来るのか、何をしなければならないのか」を問い、自分自身の表現を探し続けてきた。それらが松田のユーモアあるセンスによって前向きに‘華’ある作品が生まれてくることとなったのである。 愛らしいかたちで、胴に穴のあいたユーモラスな作品。花瓶でありながら二つの口をもつこと、胴の真ん中に穴あけてしまうことをさらりとやってのける松田の才知の効いた仕上げとなっている。「瓢箪花生」と名付けられ、口を開けているように見える表情は笑いを誘う楽しい作品。

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