白い夢
(しろいゆめ) Dream in White三輪和彦
(みわ かずひこ) Miwa KazuhikoH 59.2cm W 14.0cm D 14.2cm
三輪和彦は、山口県萩市で代々続く歴史三輪窯の11代休雪の三男に生まれる。昭和50年にアメリカ、サンフランシスコ・アート・インスティテュートに留学し、彫刻科陶芸部門に席をおいて6年間様々な可能性を探る。異なる伝統や習慣の中に自身をおいて、陶芸と自らの関係を再確認しようとした。
昭和59年、帰国して3年後、山口県立美術館「今、おおきなやきものに何がみえるか」でデビューする。四十数トンの生土を会場に持ち込み、その土のうえをバイクやジープで走って轍を残した。土の持つエネルギーに体当たりして、その存在感、生命感を確認することが彼の造形の原点にあった。また「轆轤で土を挽き殺していくんではなくて、轆轤を使って、何か土に発信力をもたせる」と、轆轤にも強い関心をもち、ある中心の核のようなものが横に広がったり、天に向かって伸びていくなど轆轤の運動性能や遠心力、外部圧力や重力との戦いのなかで生まれる造形に取り組んで、自分と土のエネルギーを戦わせる。本作品には、彼のその土の持つエネルギーへの探求が独特の白萩釉とともに表されている。