実施レポート

CCC(Ceramic Valley Craft Camp)ブース出展/CAT by MoMCA

2024年3月16日(土)、3月17日(日)

  

 CCC(セラミックバレークラフトキャンプ)とは、2022年より岐阜県東濃地域で開催されているクラフトフェアのこと。地元の陶芸作家を中心に、さまざまなクラフト作家や関連企業が出店するイベントです。瑞浪市、土岐市と会場が巡回し、今年は可児市で開催されました。この第3回のCCCに、岐阜県現代陶芸美術館もお誘いいただき出展いたしました。

 ブースの場所はなんと①!そんな入り口に用意したのは、やきものについて知っていただく出張プチ展示です。やきものの基礎知識を学ぶことのできるパネル展示、長い時間をかけて自然が作り出した素材である粘土の成り立ちについて知っていただく「土の標本」、そして土や焼成方法のヴァリエーションによって生まれるさまざまなやきものの表情を楽しむ「やきもののたまご」などを並べ、立ち寄られた方にやきものについてもっと深めていただくことを目指しました。

 「何も売っていない」異色のブースではありましたが、これからお買い物にでかける方、土の標本を見て「これ何?」と寄ってくださった方など、多くの方とやきものについて、そして粘土についてお話しすることができました。土の標本に関する説明をじっくりと聞いてくださった来場者の方からは、「粘土の成り立ちを知ると、今日買ったカップがさらに貴重なものに感じました」といった感想もいただけました。

 また、メインワークショップとして「CAT(Ceramic Art Tour)」(CCCのC をもじりました)を開催しました。本ツアーは、やきものの基礎知識を学んで、いろんなやきものを見つけに行く周遊ツアー。まずはブースの展示でやきものの種類や、基本的な制作プロセスについてお話しし、そのあと実際にさまざまなやきものを立ち並ぶブースのなかに見つけにいきます。たとえば土器と陶器と磁器の違いを知ってから、実際にそれらのものを見比べてみると、硬さや重さ、質感の違いなどがよりくっきりと感じられます。さらに、ブースに立つ作家さんたちから制作方法について伺ったり、作品に触れさせてもらうと、やきものの表現の幅広さがどんどんみえてきました。

 やきものの楽しみ方はいろいろ。ただ見たり使ったりするのも素敵ですが、その成り立ちについてすこし調べてみると、身の回りにあるやきものはもっと興味深く見えてきます。そんなことをすこしでも体感していただけていたら幸いです。 ブースにお立ち寄りいただいたみなさま、ツアーに参加してくださったみなさま、そしてCCC実行委員会のみなさま、ありがとうございました。


(学芸員/林 いづみ)


―――基本情報―――

日時:2024年3月16日(土)、3月17日(日)
場所:可児市トイファクトリーの丘

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