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S-929

(えすー929) S-929

井上雅之

(いのうえ まさゆき) Inoue Masayuki
1992年
H 65.0cm W 30.0cm D 50.0cm

井上雅之は、独自の造形思考から生み出される陶の大型作品により、現代陶芸シーンを牽引してきた作家である。
多摩美術大学で油画を専攻していた井上が陶芸と出会ったのは大学の3年次、中村錦平が講師を務める陶芸講座を受講したことによる。ロクロの回転と自分の手の動きによって、形が出来上がる衝撃に魅了され、陶芸の道に進むこととなった。当初はロクロの造形を活かした器型の作品を制作していたが、次第に壊した器の破片などを組み合わせたアッサンブラージュによる表現を確立した。1998年頃からは、タタラで作る箱状のピースを積み上げる造形に取り組むようになる。その作風は絶えず変化してきたが、やきもののさまざまな要素を客体化し、それらとの応答のなかに新たな形を作り出すという制作の手法は一貫したものである。
本作は、パーツの組み合わせによる制作の最盛期の頃の作例。形や質感がそれぞれ作り込まれたパーツを自在に組み合わせた、浮遊感のある造形である。その軽やかな印象は、留まることなくさまざまな形の可能性を探り続ける作家の思考の移ろいを表しているようでもある。

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