セラパークあそび隊!コラボレーション企画 ワークショップ「北欧のパンケーキ」
2024年1月27日(土) 午前の部 10:00-12:30 / 午後の部 13:30-16:00
「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展 食べること、共に生きること」の関連企画として、ワークショップ「北欧のパンケーキ」を開催しました。今回のワークショップは、セラパークあそび隊!とのコラボレーション企画。岐阜県森林文化アカデミーとセラミックパークMINOのご協力により、ムーミンたちのまねをして、自然のなかでパンケーキを味わおうという企画です。
今回の展覧会は、ムーミンの物語に登場するさまざまな食のシーンと、そこにある「コンヴィヴィアル」(共生、ごちそう、パーティーなどの楽しく心地よい雰囲気の意)な感覚に焦点をあてるもの。展示室には、ムーミンママのつくるジャム、彼らがいつも飲んでいるコーヒーなど、さまざまな食べ物を描いた挿絵が並んでいます。なかでも人気なのはパンケーキ。朝ごはんに、パーティーに、冒険の途中に、さまざまなシーンでムーミンたちはパンケーキを作り、食べているのです。
ワークショップではまず、展示室でパンケーキが登場するシーンをみんなで鑑賞しました。注目したのは、ムーミン、スナフキン、スニフが焚き火でパンケーキを焼くシーンのスケッチです。『ムーミン谷の彗星』のなかのとあるシーンを描いたスケッチ。とても小さな作品ですが、おしゃべりしながら鑑賞すると「自分の知っているパンケーキより小さい!」「焚き火で焼いているみたい」「まわりが暗くて、ちょっと怖そうな雰囲気…」などさまざまなことに気が付きます。
鑑賞のあとは、プロジェクトルームに移動し、パンケーキを食べるためのナイフを作りました。教えてくれたのは、ぎふ木育指導員の丹羽さんです。材料となるのは、切りっぱなしの枝木。樹種はセラミックパークにも生えているタカノツメです。みなさん、「ここからかたちにするの?」とちょっと驚きの顔。これをナイフで削って、ジャムナイフをつくっていきます。森林文化アカデミーの学生さんの手厚いサポートで、もくもくと楽しく制作を進めるうちに、あの枝からナイフが姿をあらわしました。
ナイフワークに集中したあとは、いよいよパンケーキの試食です!みなさんがナイフを削っているあいだ、セラパの森の入り口では焚き火があがっていました。展示室で見た、スナフキンが使っていたような、ちいさなくぼみがたくさんついているパンケーキパンで、北欧風の小さなパンケーキがどんどん焼きあがっています。
森林文化アカデミーのみなさんが用意してくれた素敵な木のお皿にパンケーキを盛ったら、それぞれ力作のパンケーキナイフで、ムーミンも大好きなマーマレードをひとすくい。待ちに待った試食会となりました。頑張って作ったナイフを使って食べると、おいしさもひとしおです。
試食中は、ムーミンの物語や北欧の食文化についてなど、いろいろな話も弾みます。そうやって、みなさんがおしゃべりしながら楽しそうにパンケーキを囲むようすは、まさにコンヴィヴィアルな感じそのものでした。「ムーミンの仲間になった気分で楽しかったです」というアンケートのコメントのとおり、それぞれのムーミン観を深めていただくひとときになったと思います。
「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」のメッセージと、セラミックパークMINOの自然環境、そしてナイフワークという手仕事の楽しさが掛け合わさった、充実のワークショップでした。ご参加いただいたみなさま、そして森林文化アカデミーとセラミックパークMINOのみなさま、ありがとうございました!
(学芸員/林 いづみ)
―――基本情報―――
日時:2024年1月27日(土) 午前の部 10:00〜12:30 / 午後の部 13:30〜16:00
場所:岐阜県現代陶芸美術館 プロジェクトルーム および セラミックパーク MINO 各所
協力:岐阜県立森林文化アカデミー
参加者:27名
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