リアル-陶芸に見るそれぞれの現実-
2006年4月25日(火)~8月13日(日)
この展覧会では、写実的な陶芸作品を特集し、陶磁表現の可能性と、陶磁を用いる意味を問い直します。
そのものそっくりに作り、人々を驚嘆させることは、美術の1つの醍醐味と言えます。絵画・彫刻の歴史を振り返るなら、こうした写実的な作品制作は、作家が自らの技量を示す格好の手段となってきました。
現代陶芸における写実表現の登場は、オブジェという新たなジャンルによる陶芸と美術の接触を基盤として、1960年代後半、ポップアート最盛期のアメリカで現れたスーパーリアリズム(またはハイパーリアリズム)と呼ばれる動向に端を発していると思われます。
それらの作品を見ていると、作家たちが単純に形を写しているわけではないことに気付くのではないでしょうか。例えば巨大化された雑誌や新聞の束(三島喜美代「WORK-96A」)は身近なものの圧倒的な存在感をボロボロの本(荒木高子「頽廃の聖書」)はそこに書かれた聖なる言葉もまた崩れ去ろうとしていることを思わせます。土という素材の可塑性の高さと、焼成するとそのまま固まるという特性を存分に生かした、陶芸ならではの写実表現を検証します。
概要
- 会場
- ギャラリーⅡ 展示室D
- 会期
- *終了しました2006年4月25日(火)~8月13日(日)
- 休館日
- 月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
- 開館時間
- 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
- 主催
- 岐阜県現代陶芸美術館