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スペインの陶芸

2004年6月22日(火)~10月17日(日)

 1920年代にパリで活動を始めた陶芸家ジョセップ・リョーレンス・アルティガスによって、スペインの個人作家的陶芸の幕は開かれました。ミロ、ピカソ、タピエスといった画家達による陶芸の取り組みの影響も受け、スペインの現代陶芸は独自の深化を遂げて今日に至っています。カスティーリャ、カタルーニャ、バレンシア、ガリシア、バスクといった地域固有の言語、伝統、文化が並存するスペインは、極めて複雑で多彩な文化的土壌を有する国です。
 今展では、カタルーニャ地方を拠点とするマリア・ボフィルとクラウディ・カサノバス、バレンシア地方を拠点とするエンリケ・メストレとマリサ・エロンの作品を紹介します。いずれの作家もそれぞれの風土や伝統に深く掉さす手法を用いて、現代を生きる人間の存在を問いかけています。
 地中海に臨むバルセロナの街を愛するボフィルは、古代神殿の柱を思わす柄の長い杯で、明るく神聖な光を受けとめます。火山地帯に生きるカサノバスは圧倒的なエネルギーが渦巻く自然界と交流しようと挑みます。古窯マニセスを擁するバレンシアの作家メストレは陶表現の豊かさを熟知した上で、厳粛な造形の構築に至りました。エロンは幼年期の記憶をたどって心の風景を土でありありと再現し、自分自身と静かに向き合っています。

概要

会場
ギャラリーⅡ 展示室D
会期
*終了しました
2004年6月22日(火)~10月17日(日)
休館日
月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
開館時間
午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
主催
岐阜県現代陶芸美術館
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